こんな時どうする?掲示板に書き込まれたら
掲示板に誹謗中傷を書き込まれたら…
平成23年に総務省が行なった「通信利用動向調査の結果」によると、パソコンやスマートフォンによるインターネット人口普及率は79.1%となっています。使用する端末や場所に関わらず、気軽にさまざまな情報に触れられるようになったことがわかります。一方、それによるSNSや掲示板の発展にともない、真偽が定かでない情報が簡単に広まり、残り続けることが問題となっています。虚偽の情報が発信され続けることによって受ける被害は、個人や企業にとって非常に大きいといえるでしょう。もし、インターネット上の掲示板などで、自身や自身が属する企業への誹謗中傷・風評被害を見つけた場合、どのように対処すればよいのでしょうか。
インターネット上の誹謗中傷とは
まず、書き込みが明らかに法に抵触する場合、名誉棄損や信用毀損罪や業務妨害で刑事告訴できる可能性があります。ネット上に記載した内容が、対象となる被害者の社会的信用をおとしめる行為と認められる場合、名誉棄損罪が成立します。よくある誤解として、名誉毀損は虚偽の書き込みにのみ適用されると考えられています。しかし、たとえ事実であっても、情報に公共性がなく、相手の社会的な評価を低下させる書き込みは名誉棄損に該当します。一方、対象者が芸能人や政治家の場合、情報公開による公益性があり、かつ事実だった場合は名誉棄損が成立しない場合があるので注意しましょう。
ネット上の名誉棄損の事例
①知人女性の私生活を中傷する内容を、自身の運営するブログ内に書き込んだとして50代の大分市職員が名誉棄損罪で逮捕されました。男はブログ内で私生活や身体的特徴について中傷する書き込みを行ない、被害者の名誉を毀損したとされています。実名こそ公開していなかったものの、住所や職業など具体的に個人が特定できるレベルにまで書き込んでいたため、知人など関係者が閲覧すれば理解できる内容だったそうです。このように、個人名を出さずとも名誉棄損が成立する場合があります。 ②数年前に参議院選にも出馬した拓殖大学の教授に対し、2ちゃんねる掲示板で「死ね」などと33回書き込み、名誉を棄損したとして22歳の男子大学生が名誉棄損で逮捕されました。被害者の教授が知人から書き込みについて知らされ、警察に告訴したことで逮捕へと繋がりました。教授と男子学生に接点はなく、「思想が気にくわなかった」と供述しているということです。
誹謗中傷・風評被害は早期の対処が重要
2ちゃんねる掲示板のように、匿名性の高い掲示板などでは、まず情報を発信した相手を特定する必要があります。サイトのサーバーの情報が保管されている期間は3ヵ月から6か月であるため、書き込みから時間が経つにつれて書き込み犯の特定が困難になっていきます。また、犯人の特定までは無理でも、掲載しているサイト管理者に書き込みの対策を申請することで、情報を見えなくすることができます。サイトの種類によっては、フルネームが書かれていなくても対策できます。 もちろん上記について、知識のない状態で申請してしまうと思わぬ炎上・二次被害が怒りかねませんので、まずはインターネットの風評被害対策の専門家に問い合わせるのがベストな選択です!
2017.01.27