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あなたも加害者に?「サジェスト汚染」の恐ろしさ

あなたも加害者に?「サジェスト汚染」の恐ろしさ

GoogleやYahoo!などの検索エンジンを使う際、入力途中で関連キーワードが表示される機能をご存じでしたか?「サジェスト機能」「オートコンプリート機能」と呼ばれ、検索エンジンが、入力された語句の候補や関連が深いキーワードを予測して表示する機能です。

普段調べものをする場合には便利な機能ですが、時として思わぬ被害が発生することもあります。それが風評被害の一種である「サジェスト汚染」と呼ばれる現象。

例えば、自身や企業の名前で検索すると、ネガティブな予測キーワードが表示されてしまう状態です。 今回は、サジェスト汚染の恐ろしさや、実際の事例を交えたサジェスト対策の必要性を解説していきます。

サジェスト汚染の影響


サジェスト汚染は、純粋に個人名や企業について調べようとした検索エンジンの利用者にまでマイナスイメージが拡大してしまう問題点があります。そのため、ビジネスや就職活動にも大きな悪影響を及ぼしかねません。

たとえば、自身の名前に「逮捕」「犯罪」「詐欺」などの予測キーワードが表示される場合。採用を担当する人事担当が応募者の素性を調べようと、名前を入力した時点でネガティブな情報が表示されてしまう結果に。

サジェストは本来、検索を補助するための機能ですが、このように不利益を被ってしまう場合のです。

サジェスト汚染の恐ろしさ|操作して思うがまま?


このサジェスト機能はもう1つ問題点があります。

その問題点とは、「表示されるキーワードをある程度コントロールできる」ことです。

そもそも、サジェストは、入力されたキーワードに関連する情報がウェブ上にどれだけあるか、検索回数、情報量や更新頻度によって決まります。

そこを逆手にとって、悪意ある人間が特定の個人や企業に関連するネガティブ情報が含まれるサイトを乱立させれば、サジェストに嫌がらせの内容を表示することも理論的に可能なのです。
昨今ではGoogleのサイトの情報を認識する能力も高まっていますが、機械で処理を行っている以上限界があります。掲示板などにサジェスト汚染のための無意味な投稿を繰り返したり、機械的に特定のワードで検索し続けることでサジェスト汚染の操作ができてしまう可能性があります。

サジェスト汚染は私もできる?


前述したとおり、サジェストはそのキーワードでの検索数、関連したサイトの数、更新頻度が重要なポイントになっています。

掲示板に関連したキーワードを投稿したり、表示したいキーワードで無意味な検索をし続けることでGoogleが関連性が高いと認識して対象のキーワードを表示させるようになります。

「それでできるなら簡単そうだし、私もやってみよう!」と思う方もいるかと思いますが、実際にはそう簡単にはいきません。
むしろ、サジェスト汚染をやることは犯罪に手を染めることになりかねないことであるため、やるべきではありません。

サジェスト汚染の危険性|業務妨害になる


サジェスト汚染のポイントである「関連したキーワードが掲載されているサイトを作る」ことも可能ですが、スパム行為になってしまう可能性が非常に高いです。
特に、無意味な情報をブログのコメント欄や掲示板に投稿する行為は、「電子計算機損壊等業務妨害」にあたります。また、掲示板やブログではそのような行為は禁止行為としているため、即刻削除されます。

サジェスト汚染の危険性|名誉毀損にあたる


上記のようにどこかのサイトに関連するキーワードを書き込むことでサジェスト汚染を行うことは理論上可能です。

しかし、書き込んだ場合は名誉毀損やプライバシー侵害と判断されて、罰則を受ける可能性があるので注意が必要です。
どちらも民事裁判に発展して、賠償金などが発生する危険性があります。軽い気持ちで書き込んで、思いもよらぬ高い代償を支払ってしまうことのないようにしましょう。

サジェスト汚染の危険性|効果は出ない


上記で説明しているとおり、根気よく対処すれば1人の人の手でサジェスト汚染を行うことは理論上可能です。
ですが、Googleもそのような不穏な動きやサーバーに負荷をかけるような行為を行っているユーザーを識別できるため、効果が出ることは結果的にありません。

サジェスト汚染の裁判事例


2013年に東京都のある男性が、サジェストの風評被害によって企業の採用内定が取り消されたとして、米Googleを訴える事例がありました。

東京地方裁判所は、ネガティブな単語が発生しやすい状態を放置したとして、Google側に法事停止と30万円の慰謝料の支払いを命じました。

しかし、控訴審では判決が翻り、男性側が敗訴する結果に。理由は、サジェストに単語が並ぶだけでは人格権を侵害したとは言えない、との見解を示しています。このように、サジェストをめぐる裁判では不利益と単語の表示の関連性を立証する必要があります。

サジェスト対策は専門業者に依頼を


では、サジェストにおけるネガティブキーワードの表示は止められるのでしょうか。これは場合による、というのが正解でしょう。

たとえば何か不祥事を起こした会社の場合、炎上状態に陥ってしまうと、Web上に際限なくニュースサイトやまとめサイトにネガティブな情報が拡散し続ける状態であるため、実質的にサジェスト対策は不可能と言えるでしょう。

しかし、サジェストに表示されるキーワードがまったく根拠のないデタラメや、権利侵害をしている場合はその限りではありません。

もちろん根本的な対策は難しいものの、対策業者であれば「ネガティブなワードを非表示にする」「ポジティブなワードを挿入する」といった対策が可能です。

困ったらまずは、ノウハウを確立した専門のサジェスト対策業者に依頼するようにしましょう。

2017.02.22